音楽は世界を救う
パブロ・カザルスを涙させた全国大会
こんにちは
「なないろ音楽教室」ヴァイオリン講師の中陳です
春に行われるスズキ・メソードの全国大会(現グランドコンサート)
第一回目は1955年東京体育館で行われました。
全国から大勢の子ども達が集まり、
リハーサル無しの、ピッタリ息のあった演奏。
スズキ◦メソードならではの大合奏です。
子どもたちは協調性のある、輝いた音で演奏する。
鈴木鎮一先生の願いが込められたコンサートです。
1961年3月27日の全国大会に
鈴木鎮一先生が偉大なチェリストのパブロ・カザルス夫妻をご招待しました。
子どもたちのキラキラ星変奏曲、ヴィヴァルディのコンチェルト
そしてサン=サーンスの白鳥などの1200人の演奏を聴いてとても感動され、会場で話されたメッセージ。
「私は今、最も感動的な場面に列席しています。
私たちが見聞きしていることは、外見的に見られる事より遥かに重要な意味を持っていると思われます。
私は、世界のどの国でも、このような愛情と誠実な心を持った人たちを見ることはできないと思います(中略)
私がこの国に来て感じたことは、人々がより良き世界へ到達したいという願望が示されていることであり、
また私に強い印象を与えたのは、人生の最も高貴なものに対する欲求でありました。
大人がこの子どもたちの事を考え、高い心と高貴な行いで、第一歩を始めさせることはなんと素晴らしいことでしょう。
「世界は音楽によって救われるでしょう」
カザルスは1876年スペインカタルーニャ地方で生まれ、
バルセロナ私立音楽院でチェロ、ピアノ、作曲などを学び、のちに同音楽院で教壇にもたっています。
演奏家としパリ、ニューヨークを拠点として世界各国で演奏活動をしていましたが、
第一次世界大戦の影響でスペインに戻り、その後スペイン内戦でフランスに亡命。
カザルスが音楽活動を続けていく中、戦争の悲惨さ、また音楽の大切さを思い
この言葉が出てきたのではないでしょうか。
今、ロシアのウクライナ侵攻の報道、
ロシアに連れ去られる子どもたち痛々しい報道を耳にするたびに
胸が締めつけられます。
そしてこのカザルスの言葉、鈴木鎮一先生の信念が脳裏から離れません。
全世界で鈴木鎮一先生の願い、真髄が伝わっていたら
きっとこの争いは起こらなかったでしょう。
そして、ウクライナ侵攻の一日も早い終息を願っています。