やってきました「第九」の季節
こんにちは 「なないろ音楽教室」ヴァイオリン講師の中陳です
12月、クラシックコンサートといえば ベートーヴェンの「第九」 私は小さい頃第九を聴いた時、喜びの歌しか頭になく もう出るか、もう出るかとあのメロディを待っていましたが一向に出てこない。
待つこと1時間弱、ちびっこには長い道のりでした。
やっと出てきた大合唱!それを聴いた時には子どもながらに その歌声、音楽に圧巻でした。
ソリストが4人いますが、何よりマイクもないのになぜあんなに歌声が響く? オーケストラに負けない、それにも驚きでした。
大人になるとあの曲の偉大さを感じます。全ての楽章が素晴らしい。
4楽章は合唱のところは 壮大で華やかですが、大人になるとそれぞれの楽章の旋律の美しさにうっとりします。
第九で私が1番幸せになれる旋律は、4楽章のビオラです。
オーケストラで弾いた時、あのビオラの旋律は 練習の時でさえ涙が出てきそうでした(大袈裟ではないです) 演奏者が弾いていて気持ちがいい、そんなフレーズが至る所にあることも ベートーヴェンの素晴らしさ。
セカンドを弾く機会が多いですが すごく難しい割には報われない。そんなメロディもありますが…(笑)
ベートーヴェンは第九を作曲した頃はもほとんど聞こえておらず、 初演は自分で指揮をせず、他の指揮者に託しコンサートが開かれたそうですが 耳が聞こえないので、演奏がいつ終わったか全く気付かず 演奏家の身振りで演奏が終わったことを知り、観客が拍手喝采しているのを見て、演奏が終わったことを知ります。
ベートーヴェンは難聴というのは有名な話ですが 難聴とはいえ、うっすらでも多少は聞こえたんじゃないの?と疑ってしまいますが このエピソードを聞くと本当に聞こえないに等しいということがわかります。
耳が聞こえないで作った第九。
編成は 弦楽器は5パートの他に フルート2、ピッコロ1、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、 打楽器ティンパニー、トライアングル他と、20以上のパートがあり、 この楽器の音色が頭にあるわけです。
ベートーヴェンの頭は一体どうなっているのでしょう。
常識はずれの頭脳、感性を持ったベートーヴェン
この壮大な第九を、ぜひ聴きに行ってはいかがでしょうか。